LITEC HASSO T-29
(ライテック ハッソ ティーニーキュー)

2015年マウンテンバイク全日本選手権でクロスカントリー/ダウンヒルのダブルタイトルを決めた末政実緒選手(SRAM/LITEC)。
末政選手のイメージとして、どんな機材でも持ち前のテクニックで乗りこなしてしまう。そんなイメージが皆さんにもあると思います。そんな末政選手ですが、いざレースとなると こだわりを持った選択をします。

2014 DOWNHILL SERIES 最終戦 吉無田(熊本)にて ファットバイクでレースに挑む(協力:TREK田中さん)
では末政選手の使っている機材について詳しく見てみましょう。
今回は末政選手こだわりの一品『LITEC HASSO T-29』フレームに注目したいと思います。このフレームは本来トレイルを走るために造られたものです。なぜ末政選手がクロスカントリーレースにこのフレームを選んだのか気になるところですね。

写真はドロッパーポスト”ROCKSHOX reverb”を下げたダウンヒルポジション(SEIWA FOREST MTB PARKにて)
reverbの有効性についてはこちら
なぜ身長の低い末政選手が29インチを選んだのか?
理由は簡単です。同じ条件でタイムを計ったら圧倒的に29インチが速かったからです。
実は2014年シーズン前に29インチ(LITEC Que)と27.5インチ(LITEC ARC)を同じ仕様にし、普段末政選手がトレーニングを行なうグリーンピア三木へ持ち込んでテストを行なった結果、29インチと27.5インチを迷う必要も無いくらいのタイム差があり、レースバイクに適しているのは29インチだという判断に至りました。

なぜカーボンよりも重いチタンバイクなのか?
これは末政選手のライディングスタイル(スキル)と好みによるものです。
普通に考えてバイクは1gでも軽いほうが有利なのは皆さんご存知ですよね。実際、同じ29インチのカーボンフレーム LITEC Queに対してチタンフレーム LITEC HASSO T-29は約380gも重いです。
そのデメリットを補う特徴がHASSO T-29にはあるんです。 それはフレームの”しなり”です。末政選手が「リアサスペンションが付いているみたい」と表現するよう、路面からの突き上げを吸収するように往なします。ワールドカップや世界選手権のような過酷なコースでも問題が無いどころか、下りに関してはフルサスバイクに乗ったトップライダーを凌駕する走りを見せています。
また”しなり”はプッシュといわれる技術を利用する際にもプラスに働きます。ダウンヒル出身の末政選手だからこそのテクニックですが、コーナー進入時に発生するフレームの”しなり”を利用しプッシュといわれる技術を使って加速をしています。
上の動画は先日開催されたCJ-U勢和多気国際クロスカントリー大会の猪落(ししおとし)と呼ばれるセクションです。先を走るのが末政選手、後ろは山田将輝(Limited846/LITEC)です。末政選手はバンクにリヤタイヤが当たった次の瞬間、ペダルを漕いでいないのに加速しているように見えますね。これがプッシュです。後ろを走る山田選手と比較するとその違いが分かりやすいと思います。末政選手はこういったテクニックをコース内の各所で利用しペダリング以外でバイクを前へ進める工夫をしています。
また、ダウンヒルバイクの重さに比べれば380g程度であれば「たいしたことない」そうです(笑)
そのほかの理由として、海外遠征が多い末政選手にとって金属フレームという安心感もあるようですね。
結論:軽さが全てではない(でも軽いに越したことはない)
ということでお願いします。

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